松ぼっくりが古代ローマやカトリック教徒にとって、どのような意味があるかを知りたい人 向けの記事です

記事難易度:★★★☆☆(3/5)

※世界史などの基礎知識がなくても読めます

海外の人にとっての松ぼっくりとは?

きなちゃん

前回の「日本人にとっての松」はおもしろかったな~

ぱいん

「松」は、邪気を払う・永続性・自然との調和など、たくさん意味合いがあったにゃ

クロ

気になる人はこっちの記事を読んでくれな

ぱいん

松へのリスペクトをもって、松ぼっくりアートをつくるにゃ!

きなちゃん

ちなみに、海外の人は、松ぼっくりについてどう思っているのかな?

ぱいん

実は、海外の多くのところで、昔から縁起のいいものと捉えられてきたにゃ

きなちゃん

え?ほんと? 良いように言いすぎじゃない?

ぱいん

もちろん、地域と時代によるけれども、今日は古代ローマカトリック教徒間で、松ぼっくりがどのように捉えられてきたかを説明するにゃ

クロ

(なんかすごいマニアックだな)

①バチカンの観光地:巨大松ぼっくりのブロンズ像

ぱいん

さっそくだけど、この写真、世界的に有名な観光地だけど、わかるかにゃ?

フリー素材屋Hoshino様から拝借: https://www.s-hoshino.com/f_photo/roma/ro_021.html

きなちゃん

人が小さく見えるくらい、大きい松の実だな

クロ

 (こんなの初めてみた)

ぱいん

正解は、ヴァチカン美術館の中庭にゃ

きなちゃん

え!? あのローマにあるヴァチカン!?

筆者

筆者も海外放浪でヴァチカンいったことあるけど、ここは知らなかった

クロ

(ローマは見どころが多すぎるから回れないよな)

ヴァチカン美術館の「ピーニャの中庭」

ローマのヴァチカン美術館は、世界でも有数の大きな美術館です。

ピニョーネとして知られる巨大な古代のブロンズ彫刻があります。

先ほどの通り、巨大な松の実(=松ぼっくり)が描かれていて、通称「ピーニャの中庭」と言われています。

およそ2世紀につくられたものとされており、高さは4メートル近くあり、彫刻家プブリウス・シンキウス・サルヴィウスによって作られました。

もともとはアグリッパ浴場の近くにあり、おそらく噴水の一部であったと思われるが、後に現在の場所に移されました。

見にくいですが、古代ローマの競技者と審判が描かれています

きなちゃん

いや、これは何か神聖な何かを感じざるをえないな

ぱいん

不死と再生を象徴しているといわれているにゃ

きなちゃん

常緑だからかな、桜と違って散らないもんな

②ローマ教皇の杖に松ぼっくり

ぱいん

あとは、ローマ教皇の杖に松ぼっくりがいるにゃ

日経ビジネス記事『「フランシスコ」の名に込めた思い、ローマ教皇訪日に沸く列島』から画像(※無料で閲覧できる部分)を頂戴しました(https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/112500904/)

クロ

手の上にそれらしきものがあるな

きなちゃん

ローマ教皇ってことは、要はカトリックってことか

ぱいん

中庭も合わせてカトリックの宗教的伝統に使用されたことがわかるにゃ

きなちゃん

そんな神聖なのを、タコとかにして大丈夫か?

筆者がつくった、松ぼっくりのタコ

クロ

(アカンかも…笑)

③16~17世紀に描かれたサン・ピエトロ大聖堂と巨大松ぼっくり

きなちゃん

まあ、古代ローマでは、松ぼっくりが讃えられていたんだな

ぱいん

いや、古代だけじゃなくて、16-17世紀もそんな絵画があるんだにゃ

きなちゃん

え!? ホント!?

ぱいん

この画像をみるにゃ

2010年4月に発行の「地中海学会月報329」(https://www.collegium-mediterr.org/geppo/329.html)

きなちゃん

え!? 大きい松ぼっくり!

ぱいん

これは16-17世紀の作品のようだにゃ

改修中のサン・ピエトロ大聖堂にある松ぼっくりの描写

16世紀から17世紀,改修中のサン・ピエトロ大聖堂を描いた素描や水彩画の多くに,場違いに大きい松ぼっくりの描写がある(表紙の図:ドメニコ・タッセリ,ローマ,旧サン・ピエトロ大聖堂ファサードと前庭の素描,ヴァティカン使徒図書館Cod. A64 ter, fol. 10,1605年頃)。

2010年4月に発行の「地中海学会月報329」から、引用させて頂きました。(https://www.collegium-mediterr.org/geppo/329.html)

きなちゃん

たしかに、不自然な大きさだな

ぱいん

松ぼっくりがここまで何かの象徴として扱われているなんて、日本でもないのにゃ

④ケルトの女性は、妊娠を願い松ぼっくりを枕もとにおいた

ぱいん

あと、古代ローマでは、松ぼっくりは妊娠にもいいといわれているにゃ

きなちゃん

え!? なんで!?

ぱいん

松の木の松ぼっくりって、種子を守り育て、木の成長と再生に貢献するという役割を担っているんだにゃ

きなちゃん

どういうこと!?

ぱいん

普段、松ぼっくりアートのために、ピンセットで取る松の実が関係してるにゃ

きなちゃん

絵でいうと、これか

クロ

写真でいうとこれか

ぱいん

要は、松ぼっくりが種子をバリアしているのだにゃ

きなちゃん

たしかに、雨で濡れると閉じるもんな

クロ

濡らすと閉じる分かりやすい写真を貼っておこう

殺菌・消毒時の松ぼっくり

きなちゃん

これは、子を守っているとも確かに見えるな

ぱいん

だから、豊穣のお守りとして使われたのだにゃ

きなちゃん

守って守って、晴れて松カサが開いたときに種子を飛ばす松ぼっくりは、生殖にもお手本だよな

ぱいん

まさに、にゃ

ケルト人女性が妊娠を願った松ぼっくり

ケルト人にとって、松ぼっくりは再生の象徴であり、豊穣のお守りとして使われていました。

そのように捉えたため、松ぼっくりを枕の下に置いて生殖能力を高め、妊娠のプロセスを早めようと使っていたのです。

この象徴主義は、松ぼっくりが松の木の自然のサイクルの中で、種子を守り育て、木の成長と再生に貢献するという役割を担っていることに由来しているといわれています。

また、ローマ文化では、松ぼっくりは愛の女神であるヴィーナスと結びついていたともされます。

愛、美、豊穣で知られる女神と結びつけていたのです。

きなちゃん

松ぼっくりの生態が、豊穣や愛のシンボルとなるのは素敵だな

まとめ

ぱいん

今日は、カトリックや古代ローマでの松ぼっくりを見てきたにゃ

きなちゃん

いや~、日本以外でも松ぼっくりが古来から崇められていたのは驚きだ

ぱいん

これからも、松ぼっくりに敬意をもってアートをつくるにゃ

きなちゃん

おっしまい!

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